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クラスタ故障とパネルの発熱

ソラメンテを使うと3種類のクラスタ故障を見つけることができます。
クラスタ断線、クラスタ高抵抗、バイパスダイオードの短絡故障です。サーモカメラで確認するとこれらの故障部分は発熱しているかのように見えます。
また、クラスタ断線などでバイパスダイオードに順方向の電流が流れると、ダイオードが発熱し、ジャンクションボックスの温度が上がります。写真1はクラスタ断線パネルを裏面から、写真2はジャンクションボックスをそれぞれサーモカメラで撮影したものです。太陽電池モジュールの1/3、ジャンクションボックスの一部が高温になっている様子が見えています。

写真1

写真2
なぜ、そうなるのか?

図1
雲やカゲがなければ太陽からのエネルギーは発電所に一様に降りそそいでいます。正常なクラスタは電流が流れますが、断線のあるクラスタには電流が流れることができません。
IVカーブで考えると、図1のようになります。クラスタ断線のセルの動作点は❶、正常クラスタの動作点は❷の位置にあります。
❶の動作点では電気エネルギーを取り出せないのに対して、❷の動作点にある場合は太陽エネルギーの一部を電気エネルギー(Aの部分)としてPCSへ送り出すことになります。同じ日射・放熱条件なら、電気エネルギーとして取り出した分だけ、正常クラスタの温度は低くなります。写真1のようにクラスタ全体が高温に見える現象は、この温度差によって説明できます。ただし、接続不良やセルの逆バイアスなどによる局所的な発熱は別の現象であり、故障部が実際に発熱する場合もあります。
ジャンクションボックス内のバイパスダイオードに順方向の電流が流れる場合、その発熱の大きさは(流れた電流の大きさ)×(順方向電圧Vf)で表せます。例として、8[A]の電流がバイパスダイオードに流れ、Vfが0.5[V]であれば4[W]です。この状態が1分続くと240[J](約57[cal])、1時間では14,400[J](約3,440[cal])の熱量になります。これは、放熱を無視して全ての熱が水に伝わると仮定すれば、20[℃]の水30[cc]を100[℃]まで加熱するのに必要な熱量(約2,400[cal])を上回ります。熱量の大きさを示す比較であり、実際のダイオードやジャンクションボックスの到達温度を示すものではありません。
もしもこんなことが住宅の屋根の上で起こったら・・・。しかも、毎日が晴天であれば、と考えると怖いですね。
クラスタ故障の発熱は、発熱部が枯葉や他の可燃性の構造物と接触していると、延焼につながる可能性もあります。そのため太陽光パネルのクラスタ故障が発生していないかを定期的に点検することは非常に重要な作業となるのです。
初公開日:2020年07月22日


