リユースチェッカーのご提案

リユースチェッカーのご提案

使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクル推進のために

2012年に固定買取制度(FIT制度)が開始されて以来、日本国内に急速に太陽光発電所が普及していきました。

しかし、物事には入口があれば出口もあります。

大量に導入された太陽光パネルを将来どのように処理していくかについて、多くの国々が同様の問題を抱えています。

使用済み太陽光パネルの排出量が加速度的に増加する問題

環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第一版)」[1]より抜粋

FIT制度の買取期間が終了する2030年代後半に、役目を終えた太陽光パネルが大量に排出されることが見込まれています。

このままの見込みで推移した場合、2040年に排出される太陽光パネルの総量は80万トンを超えることが予想され、敷き詰めた面積でいうと東京ドーム1,700個分になるといわれています。

一方で、現在においても、家屋の取り壊し、自然災害など様々な理由によって想定より早く大量の使用済み太陽光パネルの排出がはじまっています。

使用済みの太陽光パネルをどう処理するかについては、身近な社会問題になりつつあります。

自然災害による太陽光発電所の被害が増加している問題

平成30年の太陽光発電設備の事故被害状況
経済産業省「今夏の太陽電池発電設備の 事故の特徴について」[2]より抜粋

日本は、台風、大雨、土砂災害、豪雪、地震等々、自然災害が非常に多い国土です。

そして近年、自然災害に見舞われる大規模太陽光発電所が増えてきています。

特に西日本豪雨や台風21号、24号、北海道東部地震など自然災害が非常に多かった平成30年(2018年)は、54件もの太陽光発電所の被害が報告されています。

平成30年7月豪雨_土砂崩れ被害
豪雨による土砂崩れ被害(出典:経済産業省)
台風によるパネルの飛散(出典:経済産業省)
平成30年台風21号_フロートのまくれ上がり
台風によるフロートのまくれ上がり(出典:経済産業省)

画像出典:経済産業省.「今夏の太陽電池発電設備の事故の特徴について」.2018.
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/newenergy_hatsuden_wg/pdf/014_01_00.pdf

雪害による架台や太陽光パネルの破損も増えてきています。

令和3年豪雪、令和4年の大雪は、北日本を中心に日本各所で甚大な被害をもたらしました。

北海道木古町の損壊サイト
積雪によるパネルの損壊(出典:日経BP)
積雪によるアレイの崩壊(出典:日経BP)

画像出典:日経BP.「昨年に続き「令和4年の大雪」も太陽光に爪痕、滋賀や群馬で倒壊」.2022.
https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00002/00099/?ST=msb&P=1

製品評価技術基盤機構(NITE)の「電気保安の現状について(令和2年度電気保安統計の概要)」[3]によると、令和2年度(2020年4月~2021年3月)の太陽光発電所の自然災害による事故件数は101件で、そのうち氷雪による被害は55件と最多となっています。

NITE令和2年報告書抜粋
製品評価技術基盤機構(NITE)「令和2年度電気保安統計」より

世界で最も積雪が多い主要都市トップ10」[4]では、3位に富山市(年間約3.6m)、2位に札幌市(年間約4.9m)、1位に青森市(年間約7.9m)とトップ3を日本の都市が独占しており、日本は世界でも有数の積雪地帯に都市があることがわかります。

日本で太陽光発電所を運営するのならば、常に自然災害のリスクを意識しておかなければならない現実があります。

再利用可能な使用済み太陽光パネルはたくさんある

一方で、自然災害に見舞われた発電所であっても、十分な発電性能を備えた太陽光パネルは多く存在します。

残念なことに、取り外された使用済み太陽光パネルのほとんどが、埋め立て廃棄、リサイクルにまわされてしまっているのが現状です。

再利用可能な太陽光パネルを廃棄してしまうことは、環境負荷になるばかりではなく、社会資本の損失です。

しかし、太陽光パネルのリユースを推進するためには大きな壁があります。

リユース・リサイクルの選別コストに合う分別手段がない・人材がいない問題

環境省が定めた「太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドライン」[5]では、使用済み太陽光パネルの発電性能の検査として「I-V検査(=ソーラーシミュレータ)」「EL検査」の2つが参考手法としてあげられています。

どちらも太陽光パネルの発電性能検査として標準的な検査方法です。

しかし、どちらの検査方法も「太陽光パネルに関する専門知識と経験を持つ人材」と「高価な機器・設備の投資」が必要です。

ソーラーシミュレータ
ELテスターの例
EL検査装置

従来型の検査は、使用済み太陽光パネルのリユース可否を判断するための検査としては、コストがまるで見合わないというのが実情です。

今後、太陽光パネルのリユース・リサイクルを促進するためには、簡単に、迅速に使用済み太陽光パネルの良否を判別する手段が必要不可欠です。

リユースチェッカー RUC-100のご提案

そこで、我々アイテスは「電気の専門家でない方や未経験者」でも「簡単かつ正確」にリユース可能な太陽光パネルを判別できる計測器、『リユースチェッカー RUC-100』を開発いたしました。

太陽光パネルを対象とし、太陽光パネルのメンテナンス市場で実績がある弊社のインピーダンス測定機「ソラメンテ-Z」の測定技術を応用、発展させた新しい計測器です。

ヒトのスキルに依存しない〇×判定

リユースチェッカー RUC-100は、環境省の「太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドライン」に沿い、正常作動性を判断します。

「開放電圧、短絡電流、インピーダンス、バイパスダイオード開放・短絡、絶縁抵抗」の5つの測定項目を総合的に自動判断し、○☓判定で測定結果を表示するため、容易に選別が可能です。

低コストで導入・運用が可能



従来型の性能評価機(ソーラーシミュレータ等)は数千万円するのに対して、RUC-100は百万円前後でのご提供を実現しました。

また、従来型の性能評価機は高額であることに加え、その機器を扱える高度な人材の確保も必要でした。

しかし、RUC-100は、測定ボタンを押すだけで機器が自動で適切な測定を行うため、専門知識のない方でもすぐに使い始めることが可能です。

RUC-100は「簡単、正確、低コスト」にて太陽光パネルの選別が可能な革新的な製品です。

参考資料

[1]環境省,”太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第一版)”,2016-03,https://www.env.go.jp/content/900506124.pdf

[2]経済産業省,”今夏の太陽電池発電設備の事故の特徴について”,2018-11.https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/newenergy_hatsuden_wg/pdf/014_01_00.pdf

[3]製品評価技術基盤機構,”電気保安の現状について
(令和2年度電気保安統計の概要)”,2022-03,https://www.nite.go.jp/data/000135116.pdf

[4]AccuWeather.com,”Top 10 snowiest major cities around the world”,2016-02,https://www.accuweather.com/en/weather-news/top-10-snowiest-major-cities-around-the-world/375130

[5]環境省,”太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドライン”,2018-05,https://www.env.go.jp/content/900517758.pdf