多結晶モジュールの模様だと思っていた。それはウワサの「スネイルトレイル」でした。
屋根の上からこんにちは!ソラメンテのアイテス藤本です
ソラメンテ東北・北海道ツアーで、巷でウワサになりつつある「スネイルトレイル」に遭遇しました。
10月中旬に大きな災害をもたらした台風の後を追うように辿り着いた東北某所の産業用ソーラー。
某海外メーカーのパネルが並ぶPVシステムで、設置後3年経過したためメンテナンスを請け負うことになったというお客様に呼ばれSolamente-iSの実証に行きました。
私はスネイルトレイルを見た
地域交流センター屋根に設置されたパネルに模様があるとのお話を聞いて拝見しみると、多結晶パネルの表面に何やら黒い帯の線が・・・。
お客様に聞いてみると多結晶モジュールの模様だと思うんだけど・・・。いやいや、多結晶とはいえ結晶粒界のそれとは明らかに様子が違います。目を凝らして見ると何かが通った後のように見えます。
そうです。これがスネイルトレイルなのです。
写真のような帯状の黒い線が何箇所かに見られました。
これはモジュール内部のセルに入ったマイクロクラックが、設置後の温湿度や通電ストレスによる化学反応で成長したものといわれています。クラックを内在したパネルは、早いもので設置後3か月ほどでクラックの亀裂痕どおりの黒い模様を表面化させます。
さらにクラックが進行すると、空気層ができることで模様は白色化していくといいます。そして成長し顕在化したクラックは、そのズレたエリアが離脱し発電に寄与しなくなり、出力低下や部分発熱を招くといわれています。
スネイルトレイルパネルは交換の対象?
しかし、スネイルトレイルの状態ではパネルの発電量に影響があるわけではないため交換対象にはならないのです。
この現場でも設定抵抗やパワコンの出力チェックを定期的に記録されていますが、特に電圧が下がった様子もなかったそうです。
原因となるマイクロクラックの見つけ方
スネイルトレイルの原因はマイクロクラックと考えられています。マイクロクラックは、モジュール製造時、出荷時、輸送時、施工時とどの時点でも入る可能性があります。残念ながら目視確認することは困難です。
ではマイクロクラックを見つける方法はないのか?それを実現するのがEL検査です。
国内に限らず多くのモジュールメーカーは、製造工程・出荷検査においてEL検査を行っています。また一部の海外メーカーは、国内に流通する前に受け入れ検査でEL検査をしているところもあります。そして、現場で抜取検査を実施している施工業者もあると聞いています。
皆さんの現場でスネイルトレイルを起こしているモジュールはありませんか?
出荷検査に使われているEL検査機能をそのまま受入検査に
アイテスでは太陽電池メーカー様向けの大型EL検査装置をはじめ、エンドユーザー様が容易にEL撮影できるPVXシリーズというコンパクトなELイメージング(撮影)キットを販売しております。
パネルのクラック、品質を一度見てみたい、といったご相談にも対応しておりますので、ぜひアイテスにお問い合わせください。