三重県を中心に、中部地区で住宅事業や賃貸事業をはじめとして不動産事業を展開し、近年では、環境エネルギー事業やシニア事業など新たな事業分野に進出されている三交不動産株式会社様。
今年は創業60周年という節目の年を迎えられています。太陽光発電事業では2012年当初よりCIS薄膜パネルを採用されていて約70MWの発電所を展開されています。今回は、CIS薄膜パネル用点検装置、ソラメンテCiSアダプターのデモのため同社のCIS薄膜パネルのメガソーラーを訪問しました。
今回訪問した発電所
平成25年11月に運転開始した「津メガソーラー杜の街発電所」。津市北部の高台に位置する総戸数1,800戸、開発総面積119ヘクタールの大型団地内にあります。
2.6MWのCIS薄膜パネルを配置した発電所で、災害時対応の非常用バッテリーを装備、非常時の電力としての機能をも備えています。
CIS薄膜パネル太陽光発電所の維持管理~ソラメンテSC200をCIS薄膜パネルの年次点検フローに~
同社では毎年欠かさず70メガの発電所の年次点検を行っています。しかし、パネルの点検作業に課題を抱えていました。
アイテスのセミナーにも参加し積極的にパネル点検の情報収集を行なっていましたが、直並列を組み合わせてストリングを構成するCIS薄膜パネルの点検には有効な手段が存在しないというのが実情でした。
そんな中、アイテスがCIS薄膜パネルの点検装置「ソラメンテCiSアダプター」をリリース。今回、同社のメガソーラーにてソラメンテCiSアダプターの現場点検デモを行うことになりました。
従来のCIS薄膜パネルの点検
この発電所ではストリング監視により電流測定を行っています。
監視装置では、ストリング単位での大きな異常については確認できますが、パネル単位の異常特定はパネルを一枚ずつ外して電圧測定するしか方法がありませんでした。
ストリングの配列は、8直4並列のため、もし問題があった場合は32枚のパネルをすべて外す作業となります。
ソラメンテCiSアダプターの点検フロー
ソラメンテCiSアダプターはCIS薄膜パネルのバイパスダイオードショート故障を効率よく特定する点検装置です。
パネル点検を行う前に、まずStep1としてストリングの開放電圧を測定し、開放電圧が低下しているストリングを特定します。
次にStep2としてソラメンテCiSアダプターを用いて故障パネルの特定を行います。故障パネルの特定は開放状態で行います。パネルの発電電流の方向をソラメンテCiSアダプターのセンサーでパネル表面から確認することで、バイパスダイオードがショートしている故障パネルの探索を行います。
CIS薄膜パネルの点検フロー
CIS薄膜パネルは、ハンダ接合部が少ない構造のため、内部配線の断線や高抵抗による故障は少ないといわれています。ただし、落雷等によるバイパスダイオードショートの故障については事例が報告されています。
今回訪問した現場では毎年しっかりと年次点検をされていることもあり、故障パネルは特定されませんでしたが、同社では、これまでなかなか確立することが難しかった点検フローを定めることができそうと、ソラメンテCISアダプターを活用した定期点検を計画、検討されています。
O&Mコストの大部分を占めるのは人件費、点検作業時間です。CiSアダプターはこれらの点検コストを最小限にし、パネル単位で容易かつ正確な点検を可能にします。今後アイテスは同社のCISパネル発電所の維持に長く貢献できるよう尽力していきます。
おわりに
同社は地域への貢献を考えた再生可能エネルギーの展開を行っている大規模発電事業者です。地域の災害時の非常用電源として活用する役割を担う太陽光発電所として、発電出力を安全に長期的に維持管理するメンテナンス体制作りにも余念がありません。
三交不動産様の太陽光発電所でソラメンテCiSアダプターをご活用いただくことで、地域貢献を主眼においた同社の再生可能エネルギーへの取り組みに微力ながらご協力ができれば幸いです。
三交不動産株式会社
三重県津市丸ノ内9番18号
TEL : 059-227-5111(代)
ホームページ: https://re.sanco.co.jp/
創立:1955年(昭和30年)7月1日
資本金:38億円
従業員数:392名(平成28年3月31日現在)
事業所:三重、名古屋、東京、大阪に33拠点
主な事業内容
住宅団地の開発・分譲
マンションの開発・分譲
不動産の仲介あっせん
商業施設・貸ビル・駐車場などの経営
注文住宅事業
リフォーム事業
高齢者向け住宅事業