滋賀県栗東市を拠点として、官公庁向けの電気工事で多くの実績を有する、株式会社さんでん様。太陽光発電に関してはFIT施行以前から手がけています。早くから施工後の発電維持管理や保守点検に着目し、太陽光O&Mの手法を確立し実績を積み上げられています。
今回は、株式会社さんでん様の年次点検作業に同行し、ソラメンテZ/iS連携キットを活用した、O&Mの先進事例をご紹介します。
今回訪問した発電所
和歌山県日高郡印南町に位置する500kW、高圧連系、分散型PCSの産業用太陽光発電所。
株式会社さんでんからは車で約3時間の距離にある。
年次点検は発電オーナーや関係各所と日程調整を事前に行い、実施されるが、天候に左右される太陽光発電所の直流側の点検は非常に気を使う。今回も天候は日照の足りない曇天。決して条件が良いというわけではない中での点検となった。
年次点検で断線を発見！結果を出すO&M～選ばれる電気工事会社のソラメンテ活用法～
太陽光発電の点検作業は、低圧~高圧まで発電規模にかかわらず基本4人体制で行う。作業時間はパネル点検を含めて1MW約1日。
低圧の場合は1日に複数件の発電所の点検を行う。この発電所では1年前の年次点検でソラメンテを使用しクラスタ故障パネルを3枚特定交換を行っていた。
点検作業の基本フロー
点検作業の基本フローは、キュービクルの交流電流チェックから始まり、その後、直流側の点検を行う。
ストリングの電流チェックを行い開放、ソラメンテで開放電圧＋直列抵抗(インピーダンス)を測定する。
電流は日照で大きく左右されるため参考値として測定している。直列抵抗は日照条件にほとんど影響されないため、年次点検ごとの比較データとして重要視している。
ストリングの開放電圧と直列抵抗に異常があればソラメンテ-iSでパネルの故障探査を行う。
この一連の作業を行う中で、パネルの外観チェックと雑草や架台の状態を確認している。すべての作業を終えた後は、キュービクルの電流チェックで締めくくる。
ケーブル断線の特定
約100箇所のストリング中1箇所で、開放電圧0V、インピーダンス高抵抗(OL)を検出。
開放電圧が0Vのためパネルのクラスター故障ではなくケーブル断線またはPVコネクタの脱落を想定。モジュール間の配線状態を目視確認したが位置特定はできず。発電電流も流れないため従来のソラメンテ-iSも使えない。
新たに導入したZ/iS連携キット(SR-200)を使用し故障箇所の位置特定を行った。
まず、ソラメンテ-Z(SZ-200)を連携モードにし、該当ストリングに探査信号を送信。ソラメンテZ/iS連携キットを用い故障箇所を探査した。
P側から信号送信したところパネルすべてにセンサーの反応はなし。N側から信号送信したところパネルすべてにセンサーの反応があり。
これにより接続箱のP端子～パネル間の断線と想定。その後その間の配線を詳細に調査すると地中埋設部のダクトに草刈機によるものと想定される亀裂を確認した。
おわりに (O&Mを本業に生かす好事例)
株式会社さんでん様は、自社施工案件以外の発電所に対して、直流側精密点検の受託案件の実績を増やしている。
第3者としてしっかりと点検を行い不具合の指摘を行うことで、発電所のあるべき姿をオーナーに提示している。
そうした実直な対応により、点検受託した発電オーナーからの改修工事や新規発電所の施工工事の仕事がどんどん増えているという。
O&Mの取り組みを本業の電気工事の受注増にもつなげることで太陽光発電とのかかわりを事業の成長に生かしている好事例である。
株式会社さんでん
滋賀県栗東市坊袋190番地の1
TEL : 077-553-7177
FAX : 077-554-0540
メールアドレス : sanden@e-sanden.co.jp
ホームページ: http://e-sanden.co.jp/
事業内容
電気設備工事・太陽光発電設備工事・メンテナンス・消防施設工事・管工事
従業員
１級電気工事施工管理技士:６名、２級電気工事施工管理技士:２名、第一種電気工事士:９名、第二種電気工事士:４名、消防設備士:４名、２級管工事施工管理技士:３名
直近の売上状況（年間）
電気工事８５％、太陽光設備工事１３％、管工事１％、消防設備工事１％
