2017年4月の改正FIT法施行を控え太陽光発電業界関係者は、後退なのか前進なのか、それぞれの捉え方で判断しようとしています。そんな中、早くからこの日を予見して技術力を高めてきたO&M企業があります。
今回はソラメンテのパワーユーザーでもある株式会社CO2Oの酒井代表取締役、森本事業本部長、田中技術部長にお話をお伺いいたしました。
思わず目を引く CO2O 社名の由来は?
二酸化炭素(CO₂)を減らして酸素(O₂)を増やす活動を、太陽光発電のO&M分野で実現し、再生可能エネルギーの発展に貢献したい、という想いが社名となりました。すぐに覚えてもらえていいですね。
O&M社が活躍する時代がやってきたのでしょうか?
急速にO&Mが立ち上がるフェーズに入ったと感じています。点検ニーズが増している中で、現在O&Mを標榜している会社は玉石混交です。大規模メガソーラーは大手EPC企業が建設してきました。メガソーラーのO&MはそのEPC事業者が引き続き行うことを必然のように言われていますが、そもそもEPC事業とO&M事業とはビジネス分野が違いますし、そのノウハウも違います。
その中で、費用対効果が十分とは言えない手法にて保守・管理されている発電所があることも事実です。事業主はコスト優先でO&Mを選択するかもしれませんが、ドイツの先行事例を見てもわかるとおり、いずれはメンテのクオリティの差が見え初めて、実力と経験のあるO&M企業が生き残ると想定しています。
株式会社CO2Oの強みとは?
CO2Oの強みは、2011年から今日に至るまで海外大手パネルメーカーのアフターサポート業務を手がけてきた経験です。そしてその知見をサービスに生かしています。日本で最も多くの発電所の不具合切り分けを行い、解決してきたという自信があります。
ひとくちにO&Mといってもその中身は広範囲に亘りますので、さまざまな知見が必要になります。電気、土木、架台の構造面の対応、売電量向上のシミュレーション、発電所の再生まで多岐に亘ります。オーナーに代わって、技術的な裏づけをもってPCS(※.1)メーカーやパネルメーカー、EPCとの交渉を行うことも少なくありません。また、オペレーションに際しては、発電事業主様やアセットマネージャー様の戦略判断に資する情報やご提案を発電所運用のプロの視点からご提供させていただくことに重点を置いています。
(※.1) PCS:パワーコンディショナ
現場に強いCO2O、その対応力は?
法定点検の際には、PCSの上流下流を分離して点検する場合が多いですが、特にパネル側は全て当社にお任せいただくことがほとんどです。接続箱からモジュール、架台も含めて詳細に点検を行います。出力低下時の原因調査の依頼も増えています。ソラメンテ、IV測定、サーモカメラ、メガー等、測定機器を目的に応じて使い分けて詳細に調査します。
出力低下の原因は、影の影響、モジュール(※.2)の不具合等さまざまです。時には初期のシステム設計が原因の場合もあります。完成図書と現場の調査状況とをつき合わせて不具合原因を特定します。あまりにも現場の施工状態が悪い場合は、オーナーへ改修工事時に発電所再生のご提案をすることもあります。また、銀行融資のエビデンスとなる期待発電量の調査も行っています。システム、PCS、モジュール、日射、温度等の環境データを調査し、期待発電量を試算します。
(※.2)モジュール:ソーラーパネル
CO2Oの行うソラメンテ点検とは?
基本的には、モジュール割れ、架台のチェック等の目視点検および、計測機器を活用した電気点検を行います。高圧、特高の発電所では絶縁測定を行うときに合わせてソラメンテ点検を行っています。まずは、ソラメンテ-Zで開放電圧とインピーダンスを測定することで故障ストリングを特定し、iSでクラスター故障パネルを特定します。ソラメンテ-Zは、IV測定では見ることができないインピーダンスが測定できるので必須です。発電事業者様には、ソラメンテ-Zの測定結果とその状況をマップに記入して報告書を作成し提出しています。
ソラメンテはモジュールの良し悪しの判断が明確なので発電事業者様に報告しやすく、その内容もご理解いただきやすい点検機器であると考えています。今回、モニターとしてソラメンテ-Zの新製品(SZ-200)を使ってみましたが、両手でプローブコンタクトすると電圧を感知し自動測定するので、1人作業が簡単に出来ます。また、発電所番号、接続箱番号、ストリング番号を機器に入力できるので転記する手間が省けます。当社では安全面を考慮して2人1班体制を基本としていますが、SZ-200の自動測定は2人作業でも大幅な時間短縮が出来そうです。
故障パネルの特定はソラメンテ-iSを使います。ソラメンテ-iSも2人1班で作業しています。2台を使用し上段と下段に分かれて点検を行うことで、効率よく作業が出来ます。ソラメンテは点検作業や報告書の作成の面でも、省力化に大きく貢献しています。
多くの点検機器がありますが?
CO2Oでは、場面によって点検機器を使い分けています。サーモカメラは天候が安定しているときには故障箇所が特定できることもありますが、クラスタ故障は日射が弱いときは大きな温度変化が起こりません。その変化は1~2度のため、その差で判断することは技術と経験が必要です。また、サーモカメラの画像だけではパネル交換につなげることはできないので、サーモの画像は故障箇所の当たり付けに使用しています。
また、発電事業者からの依頼があればIV測定を行うこともあります。ただし、IV測定の難点は時間がかかることと天候に左右されることです。JISでは700W/㎡以上の日射での測定となっていますが、この条件で測定できる天候は稀です。特に日射が弱い際の不具合判定においては、天候にほとんど影響されないソラメンテが有効です。
O&Mの将来について、そのニーズは?
業界の動向は、太陽光発電所を建造することから、太陽光発電所をしっかりと運用することに対するニーズが高まりつつあります。その為にも発電所評価診断は重要ですし、その先には、セカンダリーマーケットに向けた資産価値評価(デューデリジェンス)のニーズも高まると想定しています。発電所の格付け評価を行うビジネスも立ち上がるでしょう。CO2Oにも、事業主から第三者として中長期的な資産価値評価の一環として、健全性チェックをしてほしいという依頼案件が増えてきました。残念ながら多くの発電所において重大な不具合が発見されており、長期運用に耐えない発電所も認められています。本来太陽光発電所は、20年スパンの資産価値を評価すべきです。
それには、現場でさまざまな不具合を見てきた経験とノウハウが必須です。CO2Oは、発足当初より太陽光発電所の資産価値とその毀損リスク低減を図るという哲学をもっています。その上で太陽光発電所のあるべき姿がわかっていることが強みです。私たちは、まず発電事業者が保有している太陽光発電所の現状把握を行い、内在するリスクを可視化・顕在化させることから始めます。そして適切なオペレーションで、20年間の長期的な運用管理を軸にしたO&Mを行うことで、付加価値の提供をしたいと考えています。
おわりに
本来、太陽光発電はエネルギーミックスの基幹電源の一つとして発展させることが目的であるはずです。業界はFITが後押しになり、課題を抱えつつも、健全な発展と維持に向けて実力のある会社が活躍する時代に入ろうとしています。
今回ご紹介した株式会社CO2O様も、ブレない経営哲学をベースとして技術力と経験を兼ね備えた実力会社です。同社が、今後20年間の太陽光発電O&M業界をリードすることは想像に難くありません。エネルギーの変革を未来への力へ!株式会社CO2Oの皆様、御協力有難うございました。
株式会社CO2O(シーオーツーオー)
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メールアドレス : info@co2o.com
ホームページ
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事業内容
太陽光発電所のO&M・点検
調査・診断
設計・施工
省/創エネルギーに関する調査・診断・設計・施工
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CO2排出削減のためのハードウェア
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