パネル洗浄の効果を測定するには?

パネル洗浄の効果を測定するには?

O&M会社のお客様から、次のようなご質問をいただきました。

「今度、太陽光発電所のパネル洗浄をします。お客様が洗浄効果を知りたいとのことですが、ソラメンテで分かるのでしょうか」

「パネルが汚れると発電量に影響する」のは、皆さんご存じの通りです。これからパネル洗浄をメンテナンスメニューに加えたいO&M会社様、ご自身でパネル洗浄をして効果が知りたい発電事業者様などのために、この疑問にWebでもお答えしたいと思います。

ソラメンテでは分からない、パネル洗浄の効果

等価回路
測定画面
ソラメンテ-Zは直列抵抗と開放電圧を測定する

ソラメンテ-Zは、開放状態のストリングに微弱な測定信号を送信し、内蔵のマイコンで解析し、インピーダンス(直列抵抗)と開放電圧を測定します。

測定したストリングの中にクラスター断線や高抵抗化パネルがあるとインピーダンス(直列抵抗)は大きく変化します。このインピーダンスと開放電圧の値を前後の測定結果と相対比較することで、故障の疑いがあるストリングを調べる測定器です。

ですので、ソラメンテ-Zのインピーダンス測定(内部抵抗測定)の結果は、パネル洗浄によって、パネル内部回路のクラスタ断線や高抵抗化のように大きく変化することはありません。

ただし、汚れがひどい場合は、洗浄前は若干抵抗値が高く、洗浄後は抵抗値が低くなる可能性はあります。

それでは、どういった機器を使えばいいのか

I-Vカーブ測定器
写真は日本カーネルシステム株式会社製 Epsilon1000

それでは、どういった機器を使えば、パネル洗浄の効果は測定できるのでしょうか?

答えは、IVカーブ測定器です。洗浄前、洗浄後で発電状態の比較を行う目的としては、IVカーブ測定が最適です。

IVカーブ測定器は、パネルの発電電流と電圧特性が詳細に測定できます。IVカーブは、日射量や汚れの影響を含んだ情報を表示します。

I-Vカーブトレーサ FT4300
日置電機社製 I-Vカーブトレーサ FT4300
  • I-Vカーブ測定器は、日射量に影響されやすい(日射量が700W/m2以上で測定することが推奨)ため、注意が必要です。
  • また、故障パネル特定後のエビデンスデータとしても有効ですが、測定結果から故障原因等を読み解くには、知見を要します。

まとめ

目的別には、機器を以下のように使い分けます。

ソラメンテ-Z

パネルの内部回路の故障(断線、高抵抗化)を測定する。

IVカーブトレーサー

その時の日射量、汚れの影響を含んだ発電状態を測定する。

あわせて見たい

動画:【#11】太陽光O&Mコンサル IV測定とインピーダンス測定どっちがいいの?(15:10)

この動画は、太陽光パネルの洗浄ビジネスに他業界から参入されたある企業の方から、太陽光パネルのメンテナンスに参入するためには、どんな点検手法のどんな点検機器を購入すればいいか?とご相談があり、Zoomで行ったオンラインミーティングの録画ダイジェスト編集したものです。

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