このまえ、『開閉器のない接続箱』なるものに初めてお目にかかりました。海外では広く使われている安価なもののようです。 チョットマッテ!これって本当にいいのかなあ?先のことを考えると、、、
開閉器のない接続箱って何?
このまえ『開閉器のない接続箱』を使って施工された太陽光発電所を見てしまいました。最近、このタイプが増えているようです。圧倒的に低コストだから、というのが採用された最大の理由だと察します。
ただ、このタイプの接続箱は、構造上、ストリング単位で発電を止めることができず、開放電圧も測ることができないため、ソラメンテでの点検に限らず、IV測定、ストリング監視などの太陽電池パネルの点検が事実上できなくなります。
「太陽電池パネルはあまり故障しない。竣工検査でストリング単位の開放電圧を測って初期不良がなければ大丈夫。発電開始後に万一、太陽電池パネルで不具合が生じても、遠隔監視モニターで見つけることができる」というのが稼働後の保守の考えのようですね。
発電所運用にはメンテは必須
これは、発電所現場の点検に赴き、太陽電池パネルの故障を日々目の当たりにしている我々にとって「目の前に故障パネルが潜んでいるのに手も足も出ない」忌々しき状況なのです。
遠隔監視では異常なし、点検に行けば高い確率で故障パネルが見つかる、という現実を多く体験している昨今、原因不明の緩やかな発電出力低下が続く発電所サイトを、「天候のせいかな。しばらく様子を見てみよう。」と手をこまねいて静観するしかない、というシーンが想い浮かびます。
発電出力低下=売電収入低下、 対処の方法を閉ざされているのは現実的ではありません。
初期投資を抑えれば計算上発電コストは下がりますが、規定量の発電出力が永年維持されていることが前提ですよね。太陽光パネル保守点検が困難になった発電所に出力維持は期待できません。
何十年も運転する発電所の安定稼働には保守点検が必須、「保守のしやすさ」は保守費用低減にもつながります。稼働後の永年の維持運用を考慮した設計、施工が望まれます。
コスト優先で犠牲になる出力維持。
回復できない出力低下は増えていくのでしょうか?
門外漢のつぶやき、でした。