福島空港ソーラーパーク。30種類の多様な種類のパネルと架台を設置。福島発電株式会社と産総研福島島再生可能エネルギー研究所(FREA)との連携により、太陽光パネルの長期的な運用と評価を行い、太陽光発電の普及と発展に活かすことを目的とされた太陽光発電所です。
今回、この太陽光パネルの長期運用評価サイトを、アイテスのソーラーパネル点検装置「ソラメンテ」により点検を行うことになりました。点検結果を報告します。
国内外30社のパネルを設置
太陽光パネル比較サイトとして2014年4月に連系。単結晶、多結晶を始めさまざまなパネルが設定されています。
点検当日の状況
下記の写真は福島空港ソーラーパークの7/9(木)点検日当日の全景写真です。
この日の天候はご覧のとおり、どんより曇り空。このような天候は、日射量が足りずソーラーパネルの出力は低く、不安定で、従来の点検方法では非常に苦労する天候状況です。
以前ですと、この天候では測定が出来ないので出直しましょう…。となることありましたが、そこは、天候に影響されにくく曇天にも強い“ソラメンテ!”。こんな天気でも難なく測定できました。
ステップ1:ストリングチェッカー ソラメンテ-Z
まずは、ソラメンテ-Zで開放電圧とインピーダンスを測定。測定結果の抜粋を下記に掲載します。
同じパネルメーカーのストリングでは、開放電圧とインピーダンスはほぼ同じ傾向が出ています。
今回の結果では特に故障とみられるデータはありませんでした。
ステップ2:ソーラーパネルチェッカー ソラメンテ-iS
ステップ1のソラメンテ-Zのストリング点検で異常な値が出た場合は、次に、そのストリングに接続されているパネルをソラメンテ-iSで故障パネルを特定するのですが、今回はソラメンテ-Zで異常値は出なかったので、ソラメンテ-iSでの点検は行う必要なし。
でもこれで終わりは勿体ないので、余った時間をつかって、今回作業にご協力いただいた、福島県、福島発電、産総研の方に、パネルの発電状態をソラメンテ-iSのセンサーで捉える状況をご覧いただき、さらに、陰をつくると発電電流がバイパスされるクラスター構造の状況をソラメンテ-iSの音と光で体感していただきました。
点検結果
今回、薄膜系パネル以外の28社のパネルを全数点検し、クラスター故障の傾向は見られませんでした。
アイテスのメンバーが現場へ訪問し、ソラメンテ点検を行うと高い確率でクラスタ故障パネルが見つかるのですが今回は“OL”が出ませんでした。今回の点検で福島空港ソーラーパークに設置されているパネルの品質の高さが確認できました。(※ソラメンテ-Zは薄膜系パネルは測定対象外です。)
あとがき
私たちソラメンテのメンバーはデモ測定をする機会が多いですが、現場への道中「今日“OL”でるかな」と楽しみ?にして、“OL”が出ないと“残念”と思ってしまいがちです。
でもおかしいですよね。故障が無いのがいいに決まってる。OLが出たら残念!OL無しはいいことだ! ソラメンテはクラスタ故障を見つける装置ですが、同時に故障が無いことやパネル以外の原因との切り分けも行える装置です。
太陽光発電所が長期間継続して発電し続けるための点検装置。というと言いすぎかもしれませんが、ソラメンテがそんな存在になればいいなぁ。 ソラメンテユーザー様には発電事業者、EPC、O&M、電気主任技術者様はもちろん、ソーラーパネルメーカー様にもご利用いただいています。アイテスは、全てのユーザー様にソラメンテをご活用いただけるよう今後もサポートさせていただきます。今日も明日もご安全に!